インサイドセールスでコンテンツが重要なワケは? 必要なコンテンツの具体例と作成方法を解説
インサイドセールスにおいて、コンテンツは持続的に成果を出していくための鍵を握る要素といっても過言ではありません。
この記事では、ブログ記事やサービス紹介資料といったコンテンツが、インサイドセールスで重視される理由と、それぞれのコンテンツの特徴、制作方法などを解説します。
目次[非表示]
- 1.インサイドセールスでコンテンツが重視される理由
- 1.1.見込み顧客の育成が必要な理由
- 1.2.コンテンツによる育成が有効な理由
- 2.インサイドセールス用コンテンツの具体例
- 3.コンテンツ作成前に準備しておくべき3つのポイント
- 3.1.コンテンツマップの作成
- 3.2.カスタマージャーニーマップの作成
- 3.3.ペルソナ設計
- 4.顧客分析をもとにしたコンテンツの作成方法
- 5.まとめ
インサイドセールスでコンテンツが重視される理由
インサイドセールスでは、記事や動画といったコンテンツが重要です。
なぜなら、見込み顧客の育成のために様々なコンテンツが必要だからです。
見込み顧客の育成が必要な理由
インターネットにさまざまな情報が溢れている現代では、顧客が自ら記事や動画を通じて情報収集を行い、長い時間をかけて検討したうえで、気になる製品を自ら営業に問い合わせるというのが一般的な流れになりました。
営業担当者に問い合わせが来る頃には、購入する製品の目星までついているということも珍しくなく、見込み顧客に適切な情報提供ができていないことで、商談の機会を逃してしまうこともあります。
特にBtoBのビジネスにおいて日本では、欧米や米国と比べて、企業数や見込み顧客数がそもそも少なく案件の創出が容易ではないため、一件当たりの機会損失を軽視できないビジネス環境と言えるでしょう。
こうした環境下においては、一人一人の見込み顧客の興味関心を育て、着実に商談の機会を創出していくことが大切です。
コンテンツによる育成が有効な理由
見込み顧客の興味関心を育てていくには、これまでのようにすべての顧客に一律の製品・サービス資料を送るのではなく、顧客の購買検討段階にあわせたアプローチを行っていくことが大切です。
ここでは一例として、課題認識段階、サービス認知段階、比較検討段階の3つに分類し解説します。
- 課題認識段階:課題解決についての啓蒙。 潜在顧客に業務上の課題を認知させ、課題解決に本気で取り組む意識を持ってもらう
- サービス認知段階:自社サービスが課題解決の最適なサービスであるという提示。具体的なサービスの説明を通じて課題解決のイメージを持ってもらう
- 比較検討段階:同業種での成功事例の提示することで説得力を向上させる。サービスの信用を高め、他社との比較に優位に立つ
これまでのようにすべての顧客に一律の製品・サービス資料を送るのではなく、上記の図のように、見込み顧客の検討段階や課題にあわせて適切なコンテンツを使い分けていくことで、顧客の興味関心を育て、購入までのステップを進めていくことができます。
着実に商談の創出数を増やしていくことができるのはもちろん、顧客が十分に商品の魅力を理解した状態でフィールドセールスに引き継げるため、受注率の向上も期待できます。
インサイドセールス用コンテンツの具体例
インサイドセールスが見込み顧客の育成のために使うコンテンツには以下のようなものがあります。ここではそれぞれの特徴を解説していきます。
ブログ記事
ブログ記事は、自社や自社の製品サイトなどに設置する集客用の記事です。
情報収集をしている段階の顧客にアプローチできるのが特徴で、顧客の業務上の困りごとや疑問に答える記事を用意することで、自然検索やSNSからの流入獲得を目指します。
ブログ記事から流入した流入顧客をメルマガ登録やホワイトペーパーのダウンロードなどに誘導することで、Webからの流入顧客の実名化ができるようになり、新規の見込み顧客獲得につながります。
メルマガ
メルマガでは、1toセグメント(※1)や、1toNの一斉メール(※2)配信によって、定期的に顧客接点を持ち関係性構築を進めていきます。
業界での旬のトピックや、製品の活用事例、セミナー情報などを継続的に発信することで、顧客の関心を維持し、自社が発信する情報への感度を高めることが目的です。
※1. 1toセグメント:顧客を属性や行動に基づいてグループ分けし、それぞれのグループに適したメッセージを配信します
※2. 1toN:一斉メール配信で、一つのメッセージを複数の顧客に同時に送ります
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、見込み顧客に対して提供する資料のことです。
自社や自社の製品に興味を持った見込み顧客に対して、独自のノウハウや課題解決に役立つ情報、導入事例などを紹介することで、顧客との課題感の共有や、自社への興味関心を育てるために使用します。
ホワイトペーパーは、顧客の検討段階や業界、課題などに応じて様々な種類のものを使い分けることが重要です。
例えば、課題認識段階の顧客には業界の旬のトレンドや課題感の啓蒙資料、サービスの認知段階の顧客にはサービス紹介資料、比較検討段階の顧客には導入事例といった使い分けをすることで、効果的な訴求をすることができます。
ランディングページ
ランディングページとは、Web広告やメルマガなどのリンクをクリックした際に遷移し、ユーザーが閲覧するWebページのことです。
主にサービスや製品について、1ページで解説をしたものが多く、問い合わせや資料ダウンロードなどのコンバージョンを獲得することを目的としています。
顧客の選定目的で使うことが多く、ランディングページをクリックしたり、資料をダウンロードしたりした顧客を優先的な育成対象とすることもあります。
動画
動画は、サービス説明や操作デモ、ウェビナー(オンラインセミナー)の録画などを使いながら、口頭やテキストだけでは伝わりにくい情報を補うために使用します。
YouTubeなどにアップすることで、新規の見込み顧客の獲得に役立つ側面もあり、用途やセグメント別に様々な動画を用意することが望ましいです。
コンテンツ作成前に準備しておくべき3つのポイント
見込み顧客の育成を目的としたコンテンツを作成する際は、見込み顧客の業界や課題、検討段階に応じて使い分けをしていくことが重要です。
どのようなセグメントの、どのような状態の顧客に、どのような内容のコンテンツを提供するのかの分析が曖昧なまま、コンテンツを作成してしまうと、見込み顧客の育成が上手く進まず、思ったような成果を上げることができません。
ここでは、コンテンツを作成する前に準備しておくべき3つのポイントについて解説していきます。
コンテンツマップの作成
コンテンツマップとは、マーケティング分野における用語で、コンテンツ全体を見渡す地図のようなものを指します。
マップを作ることで、"自社にどのようなコンテンツがあるのか"が一目で分かるようになり、"どのような顧客に"、"どのように展開していくか"を整理することができます。
主にWebサイトのページ構成や遷移を考える際などに用いられることが多く、顧客がサイトを訪れた際に、どのページを、どんな順番で巡り、コンバージョンに至るのかを整理するために使用します。
コンテンツマップを考えることなくWebサイト・ページを作成してしまうと、顧客が本当に欲しい情報を得られなかったり、コンバージョンに至る前に離脱されてしまったりと、本来期待している効果を発揮できなくなってしまう可能性が高くなります。
コンバージョンに至るまでの導線が整備されているか、Webサイトに来た顧客がどのような行動をするかの2点を意識してコンテンツマップを作成していきましょう。
カスタマージャーニーマップの作成
カスタマージャーニーとは、顧客が製品を「認知」し、「興味関心」を抱き、「比較検討」をして「購買」するまでの一連の流れを旅になぞらえる考え方です。
カスタマージャーニーマップとは、その一連の流れを一つの図にまとめたもののことを指します。
カスタマージャーニーマップを作成しておくことで、今あるコンテンツがカスタマージャーニーのどの段階をカバーしているのかが分かるようになり、不足しているコンテンツが一目で分かるようになります。
ペルソナ設計
ペルソナとは、主にマーケティング分野で用いられる概念で、自社の製品やサービスを利用する具体的な顧客像をイメージしたものです。
コンテンツ作成をする際にまず、ペルソナを細かく設定しておくことで、情報を届けたい相手のイメージがしやすくなり、適切な発信媒体や内容を選ぶのに役立ちます。
顧客分析をもとにしたコンテンツの作成方法
コンテンツを作る際は、まずカスタマージャーニーマップで領域ごとのコンテンツを確認し、不足するコンテンツを洗い出します。
次に、どの段階の顧客に力を入れたいのかを決定します。
例えば、商談化を重視するのであれば、商談に一番近い顕在層への訴求コンテンツとしてサービス紹介資料や事例紹介資料を作成します。また、新規流入を重視するのであれば、トレンド情報や課題解決手法などのホワイトペーパーの作成や、セミナーを開催するなど、広く新規見込み顧客の獲得につながるような対策をすると良いでしょう。
段階ごとにどのようなコンテンツが適しているかは、以下の表を参考にしてください。
実際にコンテンツの制作を進める際には、内製と外注の二つの選択肢があります。
まず、外注はパートナーの側に業界や顧客の知識がないため、あまり質の良いアウトプットが期待できません。質を上げるにはインプットの工数もかかるため、ある程度の労力がかかることを押さえておきましょう。
費用もかさみやすいため、豊富な量を用意することも困難です。
一方、内製をする場合は自社に制作のノウハウが無ければ、多くの工数がかかってしまいます。顧客からの要望に応えるのに時間がかかってしまうため、他社に出遅れてしまうおそれがあります。
理想的なのは、インサイドセールスのコンテンツ作成に豊富な知見やノウハウを持った企業から内製化のサポートを受けることです。内製用の制作ガイドやコンテンツのひな形、必須コンテンツの初期設計などのサポートを受けられれば、スムーズに内製化を進めることができます。
まとめ
インサイドセールスにおいて、コンテンツが重視されるのは、見込み顧客の育成のためには様々なコンテンツが必要だからです。
顧客が自ら積極的に情報収集を行うようになった現代では、顧客の業界やセグメント、検討段階に応じて様々なコンテンツを提供していくことが重要です。
コンテンツを制作する際は、カスタマージャーニーマップやコンテンツマップ、ペルソナなどを作りこみ、どんなコンテンツを、誰に向けて作るのかを明確にすることが大切です。
内製化のノウハウがない状態で制作を進めてしまうと、想定外の工数がかかってしまうため、初期段階だけでも外部からのサポートを受けられるのが理想的です。
弊社エムエム総研では、コンテンツ作成の内製化を支援する新サービス「ナーチャリングコンテンツソリューション」の提供を行っています。
必須コンテンツの初期設計や、コンテンツひな形の作成、内製用の制作ガイドやオンボーディングなど、弊社の20年にわたるBtoB特化のコンテンツ制作実績を基にご提供します。
ご要望に応じて伴走支援なども行っておりますので、気になる方は以下の紹介資料をご確認ください。