カスタマーサクセス(CS)とは?意味や役割、注目を集める背景を解説!
カスタマーサクセス(CS:Customer Success)という言葉を耳にする機会が増えてきました。
直訳すると「顧客の成功」を意味する言葉ですが、具体的にはどんな役割を果たしているのかご存じでしょうか?
Google Trendsにおける「カスタマーサクセス」の検索ボリュームもここ数年で何十倍にも拡大しており、カスタマーサクセスへの注目が高まっています。
今回の記事では、カスタマーサクセスに関する基礎的な内容や注目を集める背景、果たす役割について解説いたします。
目次[非表示]
- 1.カスタマーサクセス(CS)とは?
- 2.カスタマーサクセスが注目される背景
- 2.1.ビジネスモデルの変化
- 2.2.営業スタイルの変化
- 2.2.1.売り切り型ビジネスモデルの営業
- 2.2.2.サブスクリプション型ビジネスモデルの営業
- 3.カスタマーサクセスの役割
- 3.1.LTVの最大化とアップセル・クロス
- 3.2.サービス・製品の強化
- 4.まとめ
カスタマーサクセス(CS)とは?
カスタマーサクセス(CS:Customer Success)とは、
顧客の成功および顧客を成功へ導くための活動のことです。
主にサブスクリプション型のビジネスにおいて顧客満足度を高め、LTVを最大化することを目的として活動します。
具体的には、顧客が商品やサービスに感じる不満や疑問を中長期的かつ能動的に解決し、解約率の低下やアップセル・クロスセル、ユーザーのアクティブ率向上に貢献するのがカスタマーサクセスです。
カスタマーサクセスが注目される背景
カスタマーサクセスが注目を集める背景には、
- ビジネスモデルの変化
- 営業スタイルの変化
の2つの要因が影響しています。
ビジネスモデルの変化
ビジネスモデルが『所有』から『利用』に変化し、利用者が「モノを買う」のではなく「利用期間に応じて費用を支払う」というサブスクリプション型のビジネスモデルが普及してきています。
これまで商品やサービスを使いたい場合には購入をし、所有するビジネスモデルが一般的でした。
しかし近年は、一定期間の中で利用料を支払い、さらには継続するかどうかの判断も一定期間の中で行うことができるサブスクリプション型(期間課金式)のビジネスモデルが浸透しています。
利用者は気軽に商品・サービスを利用できる反面、企業側には短期間の利用では収益が上がるまで時間がかかるという面もあり、顧客の満足度を高め、長期的に利用し続けてもらう施策が必要です。
そこでカスタマーサクセスは、顧客が商品やサービスに感じる不満や疑問を中長期的かつ能動的に解決し、解約率の低下やアップセル・クロスセル、ユーザーのアクティブ率向上を目指します。
営業スタイルの変化
ビジネスモデルの変化にともない、営業スタイルも変化しています。
売り切り型ビジネスモデルの営業
売り切り型ビジネスとは、「一度商品やサービスを売ってしまえばそこで終わってしまうビジネス」のことで、フロー型ビジネスと呼ばれることもあります。
食料品や衣料品の販売などの単発的な購買が該当し、私たちの周りにある多くのビジネスモデルは「売り切り型」となっています。
売り切り型ビジネスモデルの営業は、商品・サービスを顧客に提供することがゴールとなり、提供したサービスや購入する商品についての売上や利益は一度かぎりであることがほとんどです。そのため、新しい顧客を見つけ続ける必要があります。
サブスクリプション型ビジネスモデルの営業
サブスクリプション型ビジネスは、「仕組みやインフラを整備し、顧客に継続的に利用してもらうことによって収益をあげるビジネス」のことで、ストック型ビジネスと呼ばれることもあります。
音楽や動画の配信サービス、新聞の定期購読や弁護士との顧問契約などが該当し、仕組みづくりや顧客獲得に時間や労力がかかる場合が多い一方で、継続的な利益が見込めます。
サブスクリプション型ビジネスモデルの営業は、購買・契約が始まってからがスタートであり、顧客のロイヤルティ化やアップセル・クロスセル等がゴールになります。売り切り型ビジネスモデルに比べると、初期の営業によって顧客を獲得できれば、安定した収益の確保に繋がります。
カスタマーサクセスの役割
前述のとおり、カスタマーサクセス(Customer Success)とは、顧客満足度を高め、LTVを最大化することを目的として、顧客の成功および顧客を成功へ導くための活動のことです。
本章では、カスタマーサクセスが具体的にはどのような役割や業務を果たすのかについて解説していきます。
LTVの最大化とアップセル・クロス
カスタマーサクセスの主たる目的は、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の最大化です。
LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)とは、
ある顧客が一生のうちに、自社製品やサービスをどの程度、購入・利用してくれるのか、そして合計でどのくらいの利益をもたらしてくれるのかを示す値です。
LTVを高めるには、継続的に利用してくれる顧客と良好な関係を築き、顧客がもつ自社製品やサービスの愛着度を向上させることで、自社へのファン化・ロイヤルティ化を促すことが必要です。
LTVに関する記事もございますので、こちらをご覧ください。
>【図解・具体例あり】LTVとは?計算方法・最大化する5つの方法
また、アップセル・クロスセルといった購買単価の向上もカスタマーサクセスの重要な目的といえます。
アップセルとは、
現在利用している商品・サービスのグレードアップや同じ商材を追加購入をしてもらうことを意味します。
クロスセルとは、
現在利用している商品・サービスとは別の商材を併せて購入してもらうことを意味します。
サービス・製品の強化
顧客からのフィードバックやヒアリングをもとに得た情報を、商品・サービスの開発担当に伝え、商材の改善・向上を図ることもカスタマーサクセスの役割です。
顧客が抱える問題や課題を吸い上げ、自社プロダクトが顧客の成功により一層貢献出来るようにしていきましょう。
まとめ
サブスクリプション型のビジネスモデルの普及に伴い、カスタマーサクセスへの注目と需要はますます高まっています。
- インサイドセールス・カスタマーサクセスの組織を立ち上げたい
- カスタマーサクセスを担う人材を探している