インサイドセールスにおけるSDR・BDRとは

SDRとは?BDRとの違いやインサイドセールス導入を成功させるポイントを解説

インサイドセールスには、SDRとBDRという2種類の活動モデルがあります。どちらも「インサイドセールス」という括りですが、役割・対象顧客・業務内容は大きく異なります。

「どちらが優れている」という話ではなく、自社のターゲット層や営業戦略に応じて、どちらを選ぶか・あるいは組み合わせるかを判断することが重要です。

本記事では、SDR・BDRそれぞれの定義や違いを整理した上で、具体的な業務フロー、自社への導入を成功させるポイントまでをわかりやすく解説します。インサイドセールスの導入を検討し始めたばかりの方にも理解しやすいよう、基本的な概念から順を追って説明していきます。

目次[非表示]

  1. 1.SDR・BDRとは?インサイドセールスにおける役割を解説
    1. 1.1.SDR とは
    2. 1.2.BDRとは
    3. 1.3.SDRとBDRの違いを比較
    4. 1.4.どちらを選ぶかの考え方
  2. 2.SDRの具体的な業務フロー
  3. 3.どんな企業にSDRが向いているか
  4. 4.SDR導入を成功させるポイント
    1. 4.1.① マーケティング部門との連携を密にする
    2. 4.2.② 初回コンタクトのルールを明確にする
    3. 4.3.③ トスアップ基準を明確にする
    4. 4.4.④ KPIを設計する
  5. 5.どんな企業にBDRが向いているか
  6. 6.BDRの具体的な業務フロー
  7. 7.BDR導入を成功させるポイント
    1. 7.1.① ターゲットリストを戦略的に設計する
    2. 7.2.② アプローチシナリオを事前に準備する
    3. 7.3.③ 複数チャネルを組み合わせる
    4. 7.4.④ 長期目線でKPIを設計する
  8. 8.まとめ

SDR・BDRとは?インサイドセールスにおける役割を解説

SDR とは

SDR(Sales Development Representative)は、「反響型」インサイドセールスと呼ばれています。

マーケティング部門と連携し、WebサイトへのアクセスやWeb広告、資料請求・問い合わせなど、顧客側からのアクションをきっかけに動くのがSDRの特徴です。

すでに自社や自社サービスをある程度認知している見込み顧客が対象となるため、コミュニケーションは比較的取りやすく、問い合わせへの初動スピードを重視しながら効率的に商談を創出していきます。

こうした特徴から、SDRは特に中小企業向けのターゲット戦略と相性が良いとされています。商談1件あたりの受注単価が比較的低くなりやすい中小企業向けビジネスでは、少ない商談コストで数多くの案件を効率よく処理することが求められるためです。インバウンドリード(問い合わせなど顧客から来る情報)※を起点にすることで、1件あたりのアプローチコストを抑えながら商談数の最大化を図りやすくなります。架電リスト作成や企業調査といった事前準備のコストを抑えやすい点も、SDRのメリットです。

※用語メモ|インバウンドリード
顧客が自らWebサイトへアクセスしたり、資料請求・問い合わせをしてきたりすることで生まれる見込み顧客情報のこと。

SDRの場合の分業・協業型セールスプロセス

BDRとは

BDR(Business Development Representative)は、「開拓型」インサイドセールスと呼ばれています。

見込み顧客をまだ獲得できていない状態から、自ら能動的にアプローチをかけていく活動モデルです。受付突破やキーパーソン(決裁権を持つ担当者)※へのアクセスから始めるため、コミュニケーション難易度はSDRと比べて高くなります。

その分、戦略的に狙いたいターゲット企業へのアプローチが可能で、大手・中堅企業との商談創出に強みを発揮します。

BDRが大手・中堅企業向けのターゲット戦略に向いている理由は、1件あたりの受注単価が高いエンタープライズ(大企業)向けビジネスでは、1商談にかけるコストが多少高くなっても、受注時の利益でそれを十分に回収できるからです。また、大手企業はWebで積極的に情報収集して問い合わせてくることが少なく、待っているだけでは商談機会が生まれません。こちらから丁寧にアプローチし、長期的な関係を構築していく戦略が不可欠です。

用語メモ|キーパーソン
購買の意思決定に関わる担当者や役職者のこと。大手企業ではこの人物にたどり着くまでのプロセスが難しいことが多い。

BDRの場合の分業・協業型セールスプロセス

SDRとBDRの違いを比較

SDR

BDR

別名

反響型

開拓型

アプローチの起点

顧客からの問い合わせ・資料請求

自社からの能動的アプローチ

主なターゲット

中小企業

中堅・大手企業

メリット

件数を効率よくさばける・商談コストを低く抑えられる

高単価案件の獲得・戦略的ターゲティングができる

コミュニケーション難易度

比較的低い

比較的高い

マーケティングとの連携

密接

戦略立案が中心

どちらを選ぶかの考え方

SDRとBDRは「どちらが良い」ではなく、ターゲット層・受注単価・リソース状況によって使い分けるものです。中小企業向けに件数を増やしたいならSDR、大手企業へ戦略的に切り込みたいならBDR、という視点で判断しましょう。両方を組み合わせて運用する企業も多くあります。

SDRの具体的な業務フロー

SDRの業務は、大きく以下の流れで進みます。

  1. リード受け取り:マーケティング部門から問い合わせ・資料請求などのインバウンドリードを受け取る

  2. 初回コンタクト:電話・メール等でスピーディーに初回アプローチを行う

  3. ヒアリング・ナーチャリング:課題やニーズをヒアリングし、検討度合いを見極める(ナーチャリング=まだ購買意欲が低い顧客を継続的にフォローして温めていくこと)

  4. 商談化判断:受注確度が高まったリードをオンラインセールス(クロージングを担うインサイドセールス担当)やフィールドセールスへトスアップする

特に「初回コンタクトのスピード感」がSDRでは重要です。問い合わせから対応が遅れるほど顧客の熱量が下がり、商談化率は低下する傾向があります。中小企業向けビジネスでは競合との比較検討も早く動くため、「問い合わせが来たら即日・当日中に連絡する」という体制が商談数を大きく左右します。

どんな企業にSDRが向いているか

以下に当てはまる企業は、SDRの導入が特に効果的です。

  • WebサイトやWeb広告からの問い合わせ数が月に一定数ある
  • マーケティング部門がすでに機能しており、インバウンドリードが継続的に発生している
  • 中小企業をメインターゲットとしており、多くの案件を効率よく処理することが求められる
  • 受注単価はそこまで高くないが、件数を増やすことで売上を伸ばしたい
  • オンラインセールスや対面営業の商談数を増やしたいが、営業リソースが不足している

逆に、問い合わせがほとんど発生していない段階や、大手・中堅企業を主なターゲットとしており1件の受注単価が高い場合は、BDRの方が戦略に合っています。まず自社のターゲットと商談コストのバランスを整理してから、どちらの手法を取り入れるか判断しましょう。

SDR導入を成功させるポイント

① マーケティング部門との連携を密にする

SDRはインバウンドリードが活動の源泉です。「どの施策からどんなリードが来ているか」をマーケティング部門とリアルタイムで共有し、リードの質・量を継続的に改善する体制を作りましょう。マーケティングが集めたリードの質が低ければ、どれだけ初回対応を速くしても商談化率は上がりません。両部門が同じKPI(目標指標)を意識して動くことが重要です。

② 初回コンタクトのルールを明確にする

「問い合わせから○時間以内に連絡する」など、対応スピードのルールを組織内で統一しておきましょう。ルールがないと担当者によって対応がバラつき、商談化率の低下につながります。まずはシンプルなルールから始めて、データを見ながら改善するのがおすすめです。

③ トスアップ基準を明確にする

SDRからオンラインセールスや対面営業担当への引き継ぎ(トスアップ)基準があいまいだと、受注につながりにくい商談を量産してしまい、営業全体の効率が落ちます。BANT(Budget=予算・Authority=決裁権・Needs=課題・Timeline=導入時期)などのフレームワークを活用して、トスアップ判断を標準化しましょう。

用語メモ|BANTとは
商談化の判断に使われる代表的なフレームワーク。「予算はあるか」「決裁権を持つ人と話せているか」「解決したい課題があるか」「いつまでに導入したいか」の4軸で見込み度を評価する。

④ KPIを設計する

商談創出数だけをKPIにしていると、「なぜ商談が増えない・減っているのか」の原因が分かりません。初回コンタクト率・ナーチャリング数・トスアップ率など、プロセスごとにKPIを設計することで、どのステップに課題があるかが見えやすくなります。

どんな企業にBDRが向いているか

以下に当てはまる企業は、BDRの導入が特に効果的です。

  • 戦略的に狙いたいターゲット企業が明確にある
  • 大手・中堅企業をメインターゲットとしており、1件あたりの受注単価が高い(=商談コストをかけても採算が合う)
  • インバウンドリードがほとんど発生しておらず、自社からアプローチしなければ商談が生まれない
  • 新規市場・新規顧客の開拓を強化したい
  • 長期的な関係構築を前提とした、大手企業向け営業(エンタープライズ営業)を強化したい

逆に、ターゲット企業の選定基準がまだ固まっていない段階や、アプローチにかけられる時間・人員が少ない場合は、先にSDRで基盤を整え、インバウンドからの商談実績を積んでいく方が現実的です。

BDRの具体的な業務フロー

BDRの業務は、以下のような流れで進みます。

  1. ターゲット企業の選定
    業種、企業規模、課題仮説などの条件をもとに、アプローチすべき企業を絞り込む
  2. キーパーソンの特定
    部署や役職を調べ、誰にアプローチすべきかを整理する
  3. アプローチ設計
    電話、メール、SNS、問い合わせフォームなど、どのチャネルでどの順番で接触するかを設計する
  4. 初回接触と関係構築
    仮説ベースで課題提起を行い、相手の関心を引き出しながら接点をつくる
  5. ヒアリング・商談化判断
    課題の有無や優先度を確認し、商談化のタイミングを見極めて営業担当へ引き継ぐ

BDRでは、単に接触件数を増やすだけでは成果につながりにくい傾向があります。誰に、どんな切り口で、どのタイミングで提案するかという設計の質が重要です。特に大手・中堅企業では、導入意思決定に複数部門が関わることもあるため、短期的な反応だけでなく、中長期で関係を育てる視点も求められます。

BDR導入を成功させるポイント

① ターゲットリストを戦略的に設計する

BDRは「誰にアプローチするか」が成果を大きく左右します。まずは業種・企業規模・エリアなどの外形情報をもとにターゲット企業を絞り込み、優先度をつけたリストを事前に整備しておきましょう。その上で、各企業に対してどのような課題が想定されるかを整理し、アプローチの切り口を設計していく流れが基本です。

単価の高い案件を狙うからこそ、1社1社への準備に時間をかける価値があります。

② アプローチシナリオを事前に準備する

顧客からのアクションがない状態から始まるため、「なぜ今、この企業にこの提案をするのか」を明確にしたシナリオ設計が不可欠です。業界課題や競合状況をリサーチした上で、担当者の「自分ごと」として受け取ってもらえるメッセージを準備しましょう。大手企業は特に、汎用的な営業トークでは門前払いになりやすいため、個社ごとのカスタマイズが重要です。

③ 複数チャネルを組み合わせる

電話だけ・メールだけでは接触率に限界があります。電話・メール・SNS(LinkedInなど)・郵送DMなど、複数のチャネルを組み合わせて継続的にアプローチすることで、キーパーソンへのリーチ率が高まります。大手企業では部署や役職によって有効なチャネルが異なるため、複数手段を持っておくことが大切です。

④ 長期目線でKPIを設計する

BDRはSDRと異なり、アプローチから商談化まで数週間〜数ヶ月かかるケースが多いです。短期の商談数だけを追っていると、「活動しているのに成果が見えない」と途中で諦めてしまいがちです。接触率・返信率・キーパーソン獲得数など、プロセス指標もKPIに組み込むことで、活動の質を継続的に改善できます。

まとめ

  • SDR(反響型):顧客からの問い合わせ・資料請求を起点に動く。中小企業向けビジネスで、件数を効率よくさばきたい場合に有効。スピードと効率が成果の鍵。
  • BDR(開拓型):自社から能動的にアプローチ。大手・中堅企業向けビジネスで、高単価案件を戦略的に獲得したい場合に有効。ターゲット設計とシナリオ準備が重要。

SDRとBDRはどちらが優れているというものではなく、自社のターゲット層・受注単価・現在のリード獲得状況に応じて選択・組み合わせるものです。

まずは「自社が狙う顧客は誰か」「1件あたりの商談にかけられるコストはどのくらいか」を整理した上で、SDR・BDR・あるいは両方の組み合わせを検討してみてください。自社に合った活動モデルを明確にすることが、インサイドセールス導入を成功させる第一歩になります。

【この記事を書いた人】デマンドセンター
【この記事を書いた人】デマンドセンター
デマンドセンターは、株式会社エムエム総研のインサイドセールス・カスタマーサクセス支援事業に携わるマーケティングメンバーで構成されています。 私たちは日々、さまざまな企業のインサイドセールス組織と向き合いながら、成功事例はもちろん、現場で直面する課題や試行錯誤のプロセスも大切にしています。 「現場で本当に役立つ情報とは何か?」という視点を大切にしながら、サービスサイト「BtoB Sales DX」を通じて、リアルな知見を発信しています。
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