インサイドセールス導入事例

株式会社第一印刷所様

取締役 東京本部長 柳沢佳嗣 様
・従業員数:248名
・業種:印刷関連

「高品質から高品格へ」をコンセプトに印刷事業や各種ソリューションサービスを提供している第一印刷所様。
印刷だけでなく、プランニングやWebサイト制作、プロモーションまでを1社で解決できることを強みとしていますが、自社サービスの差別化ができていないことや非効率な営業手法などの課題を受けてインサイドセールスを導入しマーケティング専門の担当者をおいたそうです。
導入にあたっての障壁や営業組織内の課題をどのように乗り越え、営業組織改革を達成したのでしょうか。

インサイドセールス導入前のマーケティング課題

― 印刷業界のコモディティ化が進み自社サービスを差別化できない
― 飛び込み営業がメインの古い営業体質
― 新規リードを獲得・育成するシステムがない

印刷から各種Webサービスまでをワンストップで提供

―御社は印刷関連サービスだけでなく、Webサービスも提供されているようですが、どのような事業展開をしているのでしょうか
弊社は印刷所という名の通り、創業当初から印刷事業を行っており、売り上げの約80%は印刷関連が占めています。
印刷業界はいわゆる"ハード業界"で昔ながらのBtoBの業種ですが、印刷技術のコモディティ化が進み差別化が難しいという現状です。
そこで、印刷を請け負うだけでなく前工程である企画に入らせて頂くなど、顧客を囲い込むためにクリエイティブ部門を立ち上げました。
プランニングから印刷、デジタル(Webサイト制作や動画制作)、プロモーション、アウトソーシングまでを一貫してワンストップで行うサービスを提供しています。
幅広いニーズに応える対応力や顧客に寄り添うホスピタリティが事業の強みです。
本社は新潟にあり、創業から地域密着型の事業を展開していて、官公庁や地域の企業様・団体様と関係を持ち信頼を築いていく中で案件を創出してきました。
その他に、弊社の事業は安心安全を売りにしており、機密性の高い個人情報を取り扱ってきた実績で他社と差別化しています。
また、弊社はアウトプットのハードである印刷を請け負っているのですが、データベースを有効活用できていないという課題を受けて、社内情報を様々な形でアウトプットできるようにサポートし、最終的に印刷まで繋げるというソフトからハードへの流れを作ろうとしています。

新潟(本社)と東京(拠点)の営業組織体系の違い

―新潟本社と東京本部の営業部門の動き方や業務の幅にはどのような違いがあるのでしょうか
私は東京に着任して今年で2年目になるのですが、東京に赴任した当初は現場のヒアリングを徹底的に行う必要があると感じました。
弊社の本部がある新潟では、一定の知名度があるので、名刺1つで営業が成り立つのですが、東京ではほとんど知られていないので地盤のある本社での営業手法が通用しないことがわかりました。
すなわち認知度が低い都内でいかにPRに注力して営業販路を築いていくかが課題でした。弊社のホームページは新潟本社がメインになっていたので、まず簡易的なものですが、東京本部のHPを立ち上げる等、集客周りを強化するために動きだしました。
―営業の中に営業開発課と営業支援課がありますが、それぞれどのような役割分担をしているのでしょうか
本社のある新潟では開発系・企画系・営業系で部門を分けて運用しています。
東京も考え方は同じですが、営業は営業で前線での役回りをして、企画系は企画特化したチームという2つの区分けにしています。
また、弊社が行っている事業の特性上、受注取り付け後に内容・仕様の確認等、大量のやり取りが発生するので、実務的なサポートをするための支援チームを立ち上げ、ルーティンワークの雑務をこなす専用の課として機能させています。
―営業開発課は企画やマーケティングなど販促を担当しているのですね。
そうですね。以前から東京本部の営業組織は、どちらかというと営業に近いディレクションサポート集団のようになっていたのです。
あくまでも営業のバックヤードとしてのディレクターではなく、前線に立てるプランナーやマーケターが組織内から生まれて分岐していくことが理想だと思います。

古い営業体質を改善するためインサイドセールスを導入

―新規顧客の獲得はどのような手法で行っているのでしょうか?
私が東京に赴任した時に、営業が事前にアポイントを取らず、計画性なく飛び込みで営業している状況を目の当たりにして、旧来型の手法で営業をしていることがわかりました。
営業ルールも特に設けず、個人の力量に任せて運用しているという状況だったので、成果を上げられる人間は一匹狼で仕事を取ってきますが、仮にその人が退職した場合に、担当していた顧客を喪失してしまうという問題がありました。
そこで、簡易的なSFAを導入し効率的な営業システムを構築するために、インサイドセールスの導入を決めました。
―インサイドセールスを導入後、マーケティング活動にどのような変化が起こりましたか
インサイドセールス導入以前は、イベントに出展したとしてもその後どのように成果に繋げるか分からず、名刺を取得できたとしても有効に活かすことができなかったのですが、現在はHOTリードに対するアプローチの仕方を決めてからイベントに出展するようになりました。
中小企業の場合は、潤沢に予算があるわけでもないので、すぐに目に見えて成果が上がらなかったのですが、直近のイベントに出展したところ、大量のリードが獲得できました。
HP上での問い合わせが増え、案件創出件数としては前回のイベントの2.5倍にまで上がりました。新たな営業プロセスの形が出来上がりつつあります。
―イベントで得たリードや問い合わせに対してアプローチしているということでしょうか
そうですね。弊社は案件単位でカスタマイズが必要なビジネスを展開しているので、まずは顧客のニーズをヒアリングして関係性を築いたうえで商談がスタートします。
メールでの急ぎの見積もり引き合いがあれば見積書を作成しますが、まずはアポイントを取得することが重要で、対面のヒアリングで商談を進める流れです。

インサイドセールスの課題

―インサイドセールス導入後にはどのような課題がありますか
紙媒体はWeb媒体と比べてデータ上で受け渡しができず、多種多様なニーズがあることから、Webのように単純発注だけで解決できない案件が必ず出てきますね。そのため、Web上の情報だけで語りつくせず、完結しきれない部分やインサイドセールスでヒアリングや商談しきれない部分を、いかに対面の営業でニーズを明確にしてクロージングにもっていくか、が課題になってきます。
―顧客のニーズを引き出すリレーションをどう作るのかが重要な営業手法になるということですね。
そうですね。確実にアポイントを取得することが必要で、メールアドレスを獲得した後の案件引き渡しまでが重要なフェーズです。
―インサイドセールスに対して社内の営業の方々はどのような認識を持っているのでしょうか
営業の人間はいまだに「マーケティング部門は何をやっているのだろう?」という認識を持っているかもしれません。
営業部門とマーケティング部門との障壁を取り除くためには、まずは実績を上げる必要があり、それまではマーケティング部門が営業部門に寄り添っていくしかないですね。
アポイントを取得して案件創出までが仕事ではなく、営業と共に案件を取得するまでを担当しようと思っています。
営業との共同作業を増やしていかなければ、良好な連携が取れないでしょうね。

今後のマーケティング活動の方向性とインサイドセールスへの期待

―今後のマーケティング活動において実行していきたいことを教えてください
新規開拓をしていかないといけない中で、しっかりと組織としてマーケティングの部門を立ち上げて、予算化して運用されることが当たり前の状態にすることがまずは第一歩だと思ってます。
弊社は情報発信や情報伝達を事業にしているので、それを自社で実践できないでどうして売れるの?と思っているところがあります。
自社のマーケティング部門で広報活動を実践して、顧客にも提供できるサービスの形を作っていきたいですね。
その結果、お客様が更に弊社のファンになってもらえればと思っています。
マーケティング活動を効率化することも大切ですが、社員の個性を積極的に出していき、1人ひとりがタレント化していく働き方ができることが理想ですね。
―今後のマーケティング活動においてWebの強化やメディアというキーワードが出てきたのですが、そういった活動の計画はされていますか
即売り上げにつながるようなECサイトを作る計画や現在取り扱っている商材をWebで簡単に発注するような仕組みを作る等、様々なタスクやミッションはあるのですが、目先の売り上げに関することではなく、中小企業としてのブランディングという形ではなかなか実行できていないですね。
現在そこに少しずつ着手し始めています。
継続的に展示会に出展し、新規リードの獲得を行いつつ、顧客との対話においてインサイドセールスやアポイント、面談を取り付け、リレーションを作る業務は営業が担うという形を続けていきたいと思います。
―柳沢さんの中で何が営業組織の改革を推進される原動力になっているのでしょうか
気持ちや気合い、情熱が必要だという旧来型の営業手法にも良さがあると思うのですが、こうした営業活動は数値化できない部分があり、部下にマーケティング活動の方向性や改善案を伝えようとしても、なかなか伝わらない歯がゆさを感じていました。
今後の営業組織では、明確な裏付けを元に、数字や理論に対する信頼を持てる営業手法を確立しなければ、変わり続けるマーケットで生き残っていくのは難しいと考えています。
10年後を見据え、印刷業界全体の活性化を目指して、事業の幅を広げていきたいですね。
―最後にエムエム総研を選んで頂いた理由を教えてください
マーケティング人材の需要増加に伴い、多くの人材派遣会社がマーケティング求人を取り扱っているのですが、担当者がマーケティングに精通しているわけではないので、確かな人材を派遣してくれる保証がなく、勤務後のミスマッチなどが起こりやすいと思います。
エムエム総研のように、全社的にインサイドセールスをミッションとしている会社が自社で育成した人材を派遣するというシステムは画期的で期待が持てそうでした。特に弊社のようなスタートップのベンチャーでもなく、大企業でもない中小企業は潤沢な採用のための予算があるわけではないので、ある程度成果を見込めるという確証が持てなければ人材を雇うことができないのです。
エムエム総研の場合には、インサイドセールスやBtoBの実績があるので確かな人材を派遣してくれるという安心感がありました。
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